華氏911 FAHRENHEIT 9/11 / 2004 / USA
STORY
アカデミー賞で『ボウリング・フォー・コロンバイン』が受賞したときのスピーチそのままに、マイケル・ムーア監督がブッシュ大統領を徹底批判するドキュメンタリー。ブッシュが大統領に当選した際のフロリダでの選挙疑惑や、同時多発テロ前後の彼の行動、ブッシュ家とビンラディン一族の意外なつながりなど、経歴や言動から大統領としての資質を問い正す。
全体を貫くテーマは、あくまでムーア監督の私見だが、使われている映像素材はすべて事実であり、その構成があまりに巧み。本質はどうであれ、観客にはブッシュのダメさ加減がはっきりと伝わり、ある種、痛快でもある。ムーアがもっとも時間を費やすのが、イラク戦争の是非。イラクからの帰還兵を連れて得意の突撃取材も行うが、息子をイラクで亡くした母の悲痛な叫びが、本作のクライマックスだろう。彼女を通してムーアは、ブッシュを批判するというより、無意味な戦争に反対しない社会全体を痛烈に批判する。小手先のうまさもあるが、鋭く強いメッセージを持っているという点で、これは超一級のドキュメンタリーなのである。(斉藤博昭)
全体を貫くテーマは、あくまでムーア監督の私見だが、使われている映像素材はすべて事実であり、その構成があまりに巧み。本質はどうであれ、観客にはブッシュのダメさ加減がはっきりと伝わり、ある種、痛快でもある。ムーアがもっとも時間を費やすのが、イラク戦争の是非。イラクからの帰還兵を連れて得意の突撃取材も行うが、息子をイラクで亡くした母の悲痛な叫びが、本作のクライマックスだろう。彼女を通してムーアは、ブッシュを批判するというより、無意味な戦争に反対しない社会全体を痛烈に批判する。小手先のうまさもあるが、鋭く強いメッセージを持っているという点で、これは超一級のドキュメンタリーなのである。(斉藤博昭)
Michael Moore's view on what happened to the United States after September 11; and how the Bush Administration allegedly used the tragic event to push forward its agenda for unjust wars in Afghanistan and Iraq.
- 監督
- Michael Moore
- 出演
- Ben Affleck, Stevie Wonder, George W. Bush, James Baker III