プライベート・ライアン SAVING PRIVATE RYAN / 1998 / USA
STORY
「史上最大の作戦」ノルマンディー上陸作戦。掩蔽壕の機関銃座から猛烈な銃撃を受けながらもオマハ・ビーチ上陸作戦を生き残った米軍第5軍第2レンジャー大隊C中隊隊長のミラー大尉(トム・ハンクス)の下に、米第7軍第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊第1大隊B中隊に所属するジェームス・ライアン2等兵(マット・デイモン)をノルマンディー戦線から探し出し無事帰国させよ、という任務が下った。ライアン家の4人兄弟はジェームス以外の3人の兄弟が戦死し、彼が唯一の生存者であった。息子たちの帰国を本国で待つ母親に息子全員の戦死の報せが届くのはあまりに残酷だ。たった一人だけでも生かし、母親の下に息子を返してやりたいという軍上層部の配慮だった。ミラーは兵士一人を救出するために部下の命を危険にさらす任務に乗り気ではなかったが、危険極まりない敵陣深く進入し、ジェームス・ライアンを救出するための捜索を始める。
Following the Normandy Landings, a group of U.S. soldiers go behind enemy lines to retrieve a paratrooper whose brothers have been killed in action.
- 監督
- Steven Spielberg
- 出演
- Tom Hanks, Tom Sizemore, Edward Burns, Barry Pepper
REVIEW from 「文芸ジャンキーパラダイス」
「戦争はスポーツじゃない。爽快でも興味深いものでもない。泥々の殺し合いだ。」(スピルバーグ)from : 史上最強の超名作洋画ベスト1000
ノルマンディー上陸作戦を描いた冒頭30分の死闘は、一言も「戦争反対」という言葉が出て来なくても、本能で“こんな愚かなことやっちゃいけない”と理解させる、キョーレツなものだった。生死を分けるのは“勇気”でも“自制”でもなく、「運」だけだ。誰もがはらわたを出して息絶える可能性がある。
両手をあげて降伏したドイツ兵を問答無用で撃ち殺している米兵を観たのは、この作品が初めて。それまでの戦争映画に登場する米兵は、ヒーローだから捕虜の虐殺はしなかった。その意味でもスピルバーグはリアルに戦争を描いている。
※アカデミー賞(1999)監督賞、撮影賞、音響効果賞、音響賞、編集賞/NY批評家協会賞(1998)作品賞
*本レビューは、「文芸ジャンキーパラダイス」管理人様の許可を得て転載しております。